となりのセカイの折上くん

となりのセカイの折上くん

SF 学園物 微ファンタジー 少年少女 パラレルワールド


あらすじ 

退屈な日々に飽いていた少年、折上ゆずる。ある日の事、いつものようにいつもの帰り道をいつもと変わらず歩いて帰路につくと自分の部屋にはとても見覚えのある少年が立っていた。まさかとは思ったゆずるであったが、――そこに立っていたのは、まぎれもなく自分であった。

 

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登場人物 紹介

折上ゆずる(Yuzuru Origami)
平凡な男子高校生。――で、あったが、自分そっくりな少年に「セカイを交換してほしい」と持ちかけられ、ある日を境にとなりのセカイへと迷い込む。戻る方法を探すなかで、次第に退屈とも言っていられない事件へと巻き込まれてゆく。

神崎うるえ(Urue Kanzaki)
ゆずるの幼馴染であり、大事なキーパーソン。A線のうるえは温和で優しい子であり、B線のうるえはツンデレで男子に対し横暴。食べることが大好きで、ことあるごとにゆずるを気にかけている。

佐々木幸貴(Saki Sasaki)

どちらのセカイでもあまり大きな変化を見せなかった少年。表情をつくる気力皆無で、常に凜としている。ゆずるの親友で、彼からは名前負けしていると言われるほど不運に見舞われる。暴力が嫌い。ゲームが好き。

姫川蓮汰・雛乃(Renta,Hinano Himekawa)

帰国子女で、ネジが一本抜けたような少年とメルヘン思考の少女。双子であり、親は海外出張で家にはいないが執事やメイドさんとメイドさんとメイドさんがいる。ある日を境にゆずると親しくなり、どたばたの原因はだいたい彼とその妹を台風の目に巻き起こっている。

久我寧々(Nene Kuga)

同じクラスの真面目な少女。かと思いきや洞察力は意外に鋭く、ゆずるの変化に感づいてしまう。とあることがきっかけでゆずるに近づくが、それが検討外れと知るや落胆して意味深なことを呟きゆずるの前から去った。

仲野より一言

面白いことや、変化というものは、周りが巻き起こしてもくれるものでもありますが、こういうものは待っている間が特に退屈なものです。ゲームの発売日まで、予定がある日まで、待つというのは「待ち遠しい」と思う反面、それまでの日常がリバウンドするかのように「待ち詫びる」もの。そして人間というのは、知らない事や未知のものを不安に思うものです。小さい子が怪我を大袈裟に痛がるのも、それがどうなるのかをまだよく理解していないためでもあります。何事も今に満足していなくとも、妥協していて、今を変えようと思う人は少ないのだと思うのです。そんな毎日に、いつしか退屈を感じることもあるでしょう。この作品は、些細なことでセカイが変わって行ってしまうのだと、ゆずる君だけがそれを目の当たりにしてゆくお話ではありますが、目を配れば誰にでも些細な変化に気付けるものなんだという事を伝えて行きたいです。「もしもあのときこうしておけば、こうはならなかったんじゃないか」と後悔して、振り返ってしまうのが人間。――前を向けるような道を描いてみたいです。